大阪府の北部に位置する豊能郡豊能町。豊能町は茨木市・能勢町・箕面市・西側は兵庫県川西市・北東は亀岡市に隣接する位置にあります。豊能町は妙見山などの山々で東地区と西地区に分かれてる人口約1万9千人の小さな町です。わだファームは東地区の棚田が広がる地域にあります。
私の出身は兵庫県、豊能町へは新規就農で引越してきました。農業に挑戦しようと思ったのは2011年東日本大震災の年です。同年6月には長年暮らしていた大阪市内より滋賀県へ移住し農業研修を開始しました。農業研修中に農業を仕事にしようと決めた頃には研修先の近くの近江八幡市での就農を考えていました。そして3年ほど経ち実際に就農する段階に入ると、元々仕事をし生活していた居心地が良く大好きな大阪で、また都市近郊で野菜農家になると決意しました。そこで大阪市内へ車で30分ほどの豊能町で新規就農の扉を叩くことになったのです。
豊能町の農業は兼業稲作が中心です。しかも中山間地域で棚田が広がり農地の一つ一つも小さい面積なので大規模農業には向きません。そして冬季は雪は少ないですが寒さは大阪府内より3〜5度ほど低く冬季の露地栽培は難しい地域です。また鹿や猪の農作物への食害がとても深刻です。町内では新規就農で町外から就農したのは私が初めてのようです。農業にとっては恵まれた地域だとは言い難いですが、この東地区で出会う方々は豊かな心をお持ちの方が多く、新規就農で町へ来たわたしに暖かく接してくださいます。また就農し2年経った頃には豊能町の農産直売所「志野の里」がオープン(直売所ができた当初は道の駅建設の計画があり進行していましたが、非常に残念ながら2020年現在はその計画は白紙となっています)。ありがたいことに就農した頃から町農政もちょうど動き出しのタイミングだったので、取り巻く町の農業の環境も少しづつ前進しています。大都市に近いこの立地と農環境を活かし豊能町農業がさらに発展するように感じています。